
近年、男性が美容室へ通うことは完全に「当たり前」の時代になりました。
これまでは「男性向け」「女性向け」と明確にターゲットを分けたサロン運営が主流でしたが、今はその境界線がどんどん薄くなっています。だからこそ、今後のサロン経営においては、「誰もが入りやすく、居心地が良い、また来たいと思える空間」をつくることが、結果として男女問わず選ばれる美容室につながるのです。
この記事では、実際の調査データやランキングをもとに、男女双方から支持される店舗づくりの理由を空間設計の視点から詳しく解説します📝
男性客にも女性客にも選ばれる美容室の共通点💇
美容室の数が右肩上がりに増え続けている現代において、お客様は「美容室へ行くか」ではなく「数ある中からどの美容室を選ぶか」という視点でサロンを探しています。そのため、お客様に選ばれ、高いリピート率を誇る美容室には、明確な共通点が存在します💡
まずは、男性が美容室を選ぶ際に何を重視しているのか、実際の調査データから見ていきましょう📈
【ランキング①】調査ランキングからわかる男性が美容室を選ぶポイント BEST3
- 技術・仕上がり(納得のいく髪型にしてくれるか)
- 通いやすさ(立地や予約の取りやすさ)
- 店内の雰囲気・居心地(リラックスできる空間か)
(※ホットペッパービューティーアカデミーやLINEリサーチなどの美容室利用実態調査を参考に要点を整理)
「見た目」だけではない、集客に直結する内装デザイン
上記のデータを見ると分かるように、「店内の雰囲気・居心地」は、スタイリストの技術や通いやすさと並ぶほど、美容室選びにおける重要な要素となっています。
美容室の内装デザインは、単に「おしゃれで見栄えが良い」という視覚的な満足度だけを指すものではありません。お客様がお店に一歩足を踏み入れた瞬間から、施術を受けて店を出るまでの間に感じる「ストレスのなさ」や「居心地の良さ」が、そのまま次の予約(リピート集客)に直結しているのです。
だからこそ、デザイン性と機能性を両立させた空間づくりのアプローチがサロン経営を左右する重要な要素です。
美容室の第一印象は入口(ファサード)で決まる
心理学において、人は相手の第一印象を「数秒」で判断すると言われています。これは人間関係だけでなく、店舗とお客様の関係においても全く同じことが言えます。
お客様が初めてその美容室の前に立ったとき、以下のポイントを瞬時に、かつ無意識にチェックしています。
- 入りやすい雰囲気か
- 緊張せずにドアを開けられるか
- 清潔感があるか
- 自分の年齢や性別でも浮かないか
【ランキング②】調査からわかる美容室選びで重視するポイント(初回来店時) BEST3
- 技術・口コミ(事前の評判や安心感)
- 価格・メニュー内容(予算に見合っているか)
- 清潔感・店内の雰囲気(外から見える店舗の印象)
(※サロン利用実態調査などのデータを整理しています)
初回来店時のデータを見ても、やはり「清潔感や雰囲気」は大きなウェイトを占めています。では、男女問わず「ここなら入ってみたい」と思わせる入口(ファサード)は、どのように設計すれば良いのでしょうか。
ジェンダーレスで入りやすい外観づくりの工夫

外観や入口の設計において、モノデザインが重要視しているのは「視線のコントロール」と「素材のバランス」です。
まずはガラス面のバランスです。外からサロンの中が全く見えない密閉された外観は、店内の様子が分からずにお客様に強い緊張感や不安を与えてしまいます。逆に、全面が透明なガラス張りで施術中のお客様の顔や姿が外の歩行者から丸見えになってしまうのも、リラックス環境としてはNGです。
適度に中の明るさやアットホームな空気感が伝わりつつ、施術スペースのプライバシーは守られるような、部分的なスモーク加工やパーテーションの配置が理想的です。
また、外壁やファサードに使用する素材も、男性・女性のどちらかに偏りすぎないようにします。甘すぎるガーリーな白・ピンク基調や、無骨すぎるダークトーンのアイアン素材ではなく、温かみのある自然な木目や、洗練されたニュートラルなグレーのコンクリート調などをバランスよく組み合わせるのがトレンドです。
こうした入りやすさを意識した店舗デザインや改装を検討する際、大阪近郊のエリアでは「大阪の内装工事 デザイン」、空間設計と施工の両面に強いパートナーを探す経営者様が増えています。
待合スペースは「待つ場所」ではなく安心する場所
無事に入口を通過し、お店に入ったお客様が最初に滞在するのが待合スペースです。多くのサロンでは、ここを単に「名前が呼ばれるまで座って待つための場所」と捉えがちですが、空間設計の視点では「来店直後の緊張を解きほぐすための重要なゾーン」と位置づけています。
お客様が待合で感じるストレスや居心地の悪さには、以下のような原因があります。
- 他のお客様との距離が近すぎて落ち着かない
- 施術中のお客様やスタッフからの視線が気になる
- 手荷物や上着を預ける動線がスムーズでなく、もたついてしまう
- 空間全体に圧迫感があり、リラックスできない
緊張感を緩和し、サロンの空気に馴染む設計
男性にも女性にも安心感を与える待合スペースをつくるためには、視線のレイアウト(ゾーニング)が鍵になります。
受付カウンター(レセプション)から流れるように手荷物を預かり、他のお客様と直接目が合わない角度で配置された一人掛けのソファへご案内できる動線が理想です。
また、大きな荷物やコートをスマートに収納できるクロークをレセプションの近くに設けることで、待合スペースに物が溢れず、すっきりとした開放感を維持できます。席につく前のわずか数分間の滞在ですが、ここで「あ、このお店は落ち着くな」と感じてもらうことが、その後の施術全体の満足度を引き上げるベースとなります。
既存のレイアウトを見直し、待合の動線や間仕切りを新しく変えたいという場合には、間取りの変更を伴うリフォームの視点が必要になります。近畿圏であれば「大阪 リフォーム デザイン」というキーワードを軸に、美容室専門で内装工事を行っている空間設計モノデザインへお気軽にご相談ください。
半個室がおすすめなのはプライバシーだけではありません❗️

現在の美容室トレンドにおいて、非常に導入事例が増えているのが「半個室」のスタイリングブースです。
多くの方は「半個室にするとプライベート感が出る」「コロナ禍以降の感染症対策になる」「高級感を演出できる」といった理由を思い浮かべるかもしれません。もちろんそれらも正解ですが、モノデザインが考える半個室の最大のメリットは、実は「音環境の改善(話しやすさのデザイン)」にあります。
一般的に、オープンタイプの美容室のフロアでは、常にさまざまな音が混ざり合っています。
- 複数のドライヤーの轟音
- アップテンポ、あるいは反響するBGM
- スタッフ同士の業務連絡の会話
- 隣の席の他のお客様とスタイリストの話し声
これらの雑音が空間全体に響き渡ると、フロア内では次のような「負の音環境サイクル」が発生してしまいます。
美容室で発生する「負の音環境」の悪循環
- 周囲の雑音のせいで、スタイリストの声が聞き取りづらい(聞こえない)
- お互いの声を通すために、無意識に声が大きくなる
- 自分の声が大きくなることで、プライベートな悩みや要望が周囲の席に聞かれる不安が生まれる
- 周りに聞かれたくないため、話しづらくなり、結果として会話が減る
- 本当は伝えたかった「髪の深刻な悩み」や「理想の要望」をスタイリストに伝えきれない
- カウンセリングの不一致が起こり、仕上がりの満足度が下がってしまう
この問題を解決するために、実際の調査データを見てみましょう。
【ランキング③】調査からわかる「居心地が良い」と感じる美容室のポイント BEST3
- スタッフが話しやすい・相談しやすい
- 店内が落ち着いている(ガヤガヤしていない)
- 周囲の視線や声が気にならない
(※サロン利用意識調査などのデータを整理しています)
お客様が求める「居心地の良さ」のトップは、実は「スタッフへの相談のしやすさ」なのです。
「半個室=高級」ではなく「本音で話せる空間」へ
半個室のパーテーションを設置することは、単なるラグジュアリー路線の演出ではなく、この「話しやすさの環境」を物理的に作り出すために非常に有効です。
天井まで完全に塞いでしまう完全個室は、消防法の規定や空調効率、さらには適度な開放感を損なうというデメリットがありますが、適度な高さの仕切り壁(パーテーション)で囲う半個室であれば、それらの問題をクリアしながら、隣の席からの音の直進を大幅に遮ることができます。
さらに、天井や壁のクロス(壁紙)に吸音性のある素材を採用したり、不快な高音が反響しにくい木質系の建材を取り入れたりすることで、ブース内の声が通りやすくなります。大きな声を出さなくても、スタイリストに「最近、薄毛に悩んでいて…」「白髪が目立つようになってきて…」といった、周囲に聞かれたくないデリケートな髪の悩みを本音で打ち明けられるようになります。
この「本音のカウンセリング」ができる環境こそが、男性客・女性客を問わず、顧客満足度を高める重要な要素となるのです。
照明や色も長時間の滞在快適性を左右する
美容室での施術は、カットやカラー、パーマなどを含めると、2時間から3時間以上の長時間滞在になることも珍しくありません。長時間をその空間で過ごすお客様にとって、視覚から入る「カラー(色彩)」と「照明(光)」の情報は、脳の疲労度やリラックス感に多大な影響を与えています。
ここでも、空間づくりで支持されているカラーの傾向をランキングデータから紐解いてみましょう。
【人気のカラー&テイスト④】男女問わず「居心地の良い空間づくりのカラー&テイスト」 BEST3
- アースカラー・ナチュラル系(ベージュ、アイボリー、ソフトグリーンなど)
- ニュートラル・シック系(グレー、ミディアム木目、グレージュなど)
- ウォームウッド・リラックス系(温かみのあるブラウン、落ち着いた無垢材など)
男女の好みが交差する「ニュートラル」なカラーバランス
インテリアの色調を考える際、女性受けを狙いすぎてフレンチシャビーな猫脚家具やパステルカラーでまとめると、男性客は気後れしてしまいます。逆に、インダストリアル(工業系)な黒のアイアンや無骨なダークレザーだけで統一すると、今度は大人の女性客が「少し冷たい印象」を抱いてしまうことがあります。
現代のジェンダーレスな空間設計において王道となるのは、「グレー」「ベージュ(グレージュ)」「自然な木目」をベースにしたニュートラルなカラー構成です。これらのアースカラーは視覚的な刺激が少なく、性別や年齢を問わず、誰の目にも優しく映るため、長時間の滞在でも飽きが来ず、心が自然と落ち着きます。
髪と肌を美しく見せる、光のメリハリ設計
照明計画においても、ただ全体を均一に明るくすれば良いというわけではありません。
最も重要なのは、お客様が鏡と対峙する「セット面(スタイリングブース)」の照明です。ここでは、髪の実際の色味や肌の血色が正確に、かつ美しく見えるように、演色性(太陽光の下での見え方にどれだけ近いかを表す指標)の高いLED照明(昼白色〜温白色)を鏡の周りや天井から適切に照射します。顔に不自然な影が落ちないように計算された光は、お客様のセルフイメージを高め、仕上がりの満足度をさらに引き上げます。
一方で、シャンプーブースや通路、天井のベース照明に関しては、眩しさを極力抑えた間接照明や電球色の温かい光を採用し、光のメリハリ(明暗のグラデーション)をつけます。特にシャンプー台に寝ているときは、天井のダウンライトが直接目に入ると強いストレスを感じるため、光源を隠す設計が鉄則です。
こうした細やかな「色彩」と「光」のコントロールが、言葉には表せない「なんだかこのお店、すごく居心地が良いな」という感覚を生み出しています。
ロジカルな空間設計が長く愛されるサロンをつくる
ここまで解説してきたように、男性客にも女性客にも選ばれる美容室の内装デザインには、すべてデータと人間の心理・行動に基づいた「ロジカルな理由」があります。
- 入口(ファサード): 視線のコントロールとジェンダーレスな素材で、初回来店の心理的ハードルを下げる
- 待合スペース: スムーズな動線と視線の配慮で、来店直後の緊張を心地よく解きほぐす
- 半個室ブース: 雑音を遮断し、お客様が髪の悩みを本音で相談できる「話しやすさ」の環境をデザインする
- カラーと照明: ニュートラルな色調と光のメリハリで、長時間の滞在でも疲れない快適性を守る
これからの美容室経営は、「ターゲットを性別で絞り込む」のではなく、「人間が本質的に心地よいと感じる空間を論理的に設計する」方向へと進化しています。
デザインの美しさはもちろんのこと、そこで働くスタッフの動きやすさ(作業動線)や、お客様がストレスを感じない音・光の環境までをトータルで設計することが、結果として男女問わず多くのファンを生み、時代に左右されず長く愛され続けるサロンをつくる最大の方法です。
魅力的なサロンへの第一歩として、まずはあなたのお店がお客様にどんな「体験」を提供したいか、空間のプロフェッショナルと一緒にディスカッションすることから始めてみませんか。
#美容室内装 #サロンデザイン #店舗デザイン #居心地の良い空間 #半個室美容室 #店舗設計 #大阪内装工事 #サロン経営 #リピート集客 #ジェンダーレスデザイン #インテリアデザイン #ファサードデザイン #音環境 #照明計画 #monodesign