なぜ同じ20坪でも、店によって工事費が違うのか?|店舗内装費を左右する“見えない部分”

query_builder 2026/09/25
なぜ同じ20坪でも、店によって工事費が違うのか?|店舗内装費を左右する“見えない部分”
なぜ同じ20坪でも、店によって工事費が違うのか?|店舗内装費を左右する“見えない部分”
なぜ同じ20坪でも、店によって工事費が違うのか?|店舗内装費を左右する“見えない部分”
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なぜ同じ20坪でも、店によって工事費が違うのか?|店舗内装費を左右する“見えない部分”
なぜ同じ20坪でも、店によって工事費が違うのか?|店舗内装費を左右する“見えない部分”


新しくお店をオープンするときや、現在の店舗をリニューアルするときに、避けては通れないのが「内装工事の費用」に関する計画です💰
大阪周辺でも多くの方が新しいお店の出店やデザインリフォームを計画されていますが、予算を組み立てる段階で多くの方が基準にされるのが「坪単価」という言葉ではないでしょうか。
「20坪の美容室をつくるなら、内装工事はだいたい総額でいくらくらいになりますか?」
「坪単価○万円くらいで収めることは可能ですか?」
店舗設計の現場にいると、このような質問をいただく機会が本当にたくさんあります。もちろん、全体の大まかな予算感を把握したり、物件を探すうえでの判断材料にしたりするために、坪単価を一応の目安にすることは間違いではありません。
しかし、実際に物件が決まって詳細な見積もりをとってみると、同じ「20坪」という広さであっても、お店によって工事費の総額がまったく異なるというケースが日常茶飯事です。
「広さが同じなのに、なぜこんなに見積もり金額が違うのだろう?」
「他の20坪のお店はもっと安く工事ができたと聞いたのに、何が原因なのか」
このような疑問や不安を感じてしまうオーナー様も少なくありませんが、それには明確な理由があります。実は、店舗の内装工事費用を決める最大の要素は、目に見える「床面積(坪数)」ではなく、図面やカタログだけでは判断できない“見えない条件”が深く関係しているからです。
今回は、大阪で数多くの店舗デザインや内装工事、デザインリフォームを手掛けてきたモノデザインが、美容室の具体的な事例を交えながら、同じ面積でも工事費が大きく変わる理由を徹底的に紐解きます💡単純な価格の比較にとどまらず、見積書の金額の裏側で「一体何に費用がかかっているのか」を正しく把握し、限られた予算を賢く活かすための知識としてお役立てください。

1. 坪単価だけで見積もりを考えてしまうことのリスク
店舗づくりの予算を考える際、「坪数 × 坪単価 = 総額」という計算式はとてもシンプルで分かりやすいため、つい頼りたくなってしまうものです。しかし、この計算に縛られすぎてしまうと、実際の出店計画において思わぬ予算オーバーを招いてしまうリスクがあります。
店舗の工事見積もりは、住宅の規格型リフォームとは異なり、一件一件の物件が持つ「初期条件」が複雑に絡み合って構成されています。大阪のように古い雑居ビルから最新の商業施設、あるいは一戸建てのテナントまで多種多様な物件が存在するエリアでは、その条件の差がそのまま金額の差としてダイレクトに現れがちです。
表面的な坪数という数字だけで判断するのではなく、物件ごとに異なる「工事の難易度」や「必要となるインフラ設備の規模」に目を向けることこそが、確実な資金計画を立てるためのスタートラインになります。何が費用を変動させる要因になっているのか、プロの視点から具体的な項目を見ていきましょう🔍

2. 費用を大きく左右する“見えない条件”①:既存店舗の状態(居抜きかスケルトンか)
同じ20坪という床面積であっても、契約した物件の「引き渡し時の状態」がどうなっているかによって、工事内容は文字通り180度変わります。
ここが店舗工事費における最も大きな「見えない部分」であり、予算を激変させる最大のポイントです。大きく分けると、以下の4つの状態によって初期の工事規模が決定されます。
  • 同業種の居抜き物件(例:以前も美容室だった場所)
  • 異業種の居抜き物件(例:以前は飲食店やオフィスだった場所)
  • スケルトン物件(コンクリートの骨組みが剥き出しの状態)
  • 全面解体が必要な改装物件(リニューアル工事など)
特に美容室の内装工事では、目に見える壁紙や鏡の美しさ以上に、壁の裏や床の下を通る「給排水」「電気」「空調」「ガス」といったライフライン設備が、お店を正常に稼働させるための心臓部になります。
例えば、以前も美容室だった居抜き物件であれば、シャンプー台のための給排水管や、ドライヤーを複数台同時に使用するための大容量の電気幹線がすでに店内に引き込まれている可能性が高くなります。これらをそのまま上手く利用できれば、基礎的なインフラ工事の費用を大幅に抑えることが期待できます。
しかし、「以前が美容室だから絶対に安くなる」と言い切れないのが、店舗内装の難しいところです。
古い設備が残っているものの、現在の安全基準やオーナー様が導入したい最新のシャンプーマシンの水圧に耐えられない場合は、結局すべての配管を一度撤去して引き直さなければならなくなることもあります。逆に、以前が事務所だった物件に美容室をつくろうとすると、ビル全体の電気容量が足りずに、外の電柱から大きな電線を店内に引き込むための高額な一時工事費用が発生するケースも珍しくありません⚡️
このように、「物件自体が最初から持っているインフラのスペック」がどうであるかによって、デザインを始める前の「土台づくり」にかかる費用が大きく変動するのです。

3. 費用を大きく左右する“見えない条件”②:シャンプー台のレイアウトと配管工事
美容室の内装工事デザインにおいて、最も設備費用にインパクトを与えるのが「シャンプー台をどこに何台設置するか」というレイアウト計画です。
一見すると、店内のどこにシャンプー台を置いても工事の手間は同じように思えるかもしれませんが、実は配置によって床下の工事規模が劇変します。

床下の構造と配管の関係
水が上から下へと流れる以上、排水管には必ず一定の傾斜(勾配)をつける必要があります。ビルの大元の排水口(竪管)からシャンプー台を設置したい場所までの距離が離れれば離れるほど、配管のスタート地点を高く持ち上げなければなりません。
そのため、シャンプー台を排水口から遠い場所にレイアウトしようとすると、店内の床全体、あるいはシャンプーエリアの床だけを一段高く持ち上げる「床上げ工事(ステージ組み)」が必須になります。
床を高くするということは、その分だけ大工さんが木材で床下地を組み、ステップを造作し、床材を多く貼る必要があるため、材料費も人件費も比例して上がっていきます。また、お湯を大量に使う美容室では、ガス給湯器の容量や、そこからシャンプー台へ繋ぐ給湯管の口径を太くするなどの目に見えない専門工事もセットで付いてきます。
「ここにシャンプー台があったらおしゃれだな」というデザイン面の希望と、「それを実現するために床下でどれだけの設備工事が動くのか」というコスト面は、常にセットで連動していることを意識しておく必要があります。

4. 費用を大きく左右する“見えない条件”③:造作家具の量と現場での手間
店舗のキャラクターを決定づける受付カウンターや、アパレルのディスプレイ棚、美容室のセット面に設置するミラーや収納などの家具類。これらをどのように調達するかによっても、見積書の数字は大きく変わります。
家具の選び方には、大きく分けて「既製品を購入する」方法と、現場の寸法に合わせて職人がイチから作り上げる「造作家具(オーダーメイド)」の2つのアプローチがあります。
造作家具は、お店のコンセプトや間取りのミリ単位の隙間に完全にフィットさせることができるため、限られた坪数を最大限に活かした美しい空間デザインを実現するためには非常に強力な手段です。しかし、既製品をポンと置く場合に比べて、費用が上がりやすい傾向にあります。それは、造作家具の価格には「材料の代金」だけでなく、以下のような目に見えない工程の手間がすべて含まれているからです。
  • 詳細な図面を書き起こす設計の手間
  • 家具工場で専門の職人が木を切り出し、加工する製作の手間
  • 完成した大型の家具を現場まで傷つけずに運ぶ運搬の手間
  • 凸凹のある現場の床や壁に合わせて、きれいに水平・垂直を取りながら固定する設置の手間
すべてを造作家具で埋め尽くすと素晴らしい一体感が生まれますが、コストの波も大きくなります。そのため、お客様の目が最も集まる「レジカウンターやエントランスの什器」だけは完全なオーダーメイドの造作家具にし、バックヤードの収納やスタッフ用の棚などは上手に既製品を組み合わせるなど、メリハリのある計画を立てることが予算内で理想のデザインを叶えるコツです。

5. 費用を左右する“見えない条件”④:間仕切り壁を1枚つくることの連動性
「ここにスタッフの休憩室をつくりたいから、新しく壁を1枚追加してください」
「少しレイアウトを変えて、バックヤードとホールの間に間仕切り壁を増やしたい」
一見すると、木で骨組みをつくって石膏ボードを貼り、表面に壁紙(クロス)を貼るだけのシンプルな作業に思えるかもしれません。「壁を1枚増やすだけなら、そんなに費用はかからないだろう」と考えがちですが、実はここにも店舗内装ならではの複雑な連動性が隠れています。
空間に新しい壁を立ち上げて部屋を2つに区切るということは、ただ壁ができるだけでなく、それに付随して以下のような周囲の関連工事が芋づる式に発生することを意味します。

壁を新設することで増える主な工事項目
  • 建具工事:部屋を行き来するための「ドア(建具)」や引き戸が必要になります。
  • 電気・照明工事:新しく区切られた部屋の中を照らすための「照明器具」や、それを操作するための「スイッチ」、家電を使用するための「コンセント」を壁の裏に配線しなければなりません。
  • 内装仕上げ工事:新しくできた壁の表側と裏側の両面に、クロスを貼ったり塗装を施したりする面積が増えます。さらに、床や天井との境目を綺麗に処理する部材(巾木や見切り材)も必要になります。
  • 消防・設備工事:壁で部屋を密閉する場合、万が一の火災に備えて「誘導灯」や「火災報知器(感知器)」をそれぞれの部屋に新設することが法律で義務付けられる場合があります。
  • 空調換気工事:エアコンの風が壁で遮られてしまうため、新しく区切った部屋にエアコンの吹き出し口(ダクト)を引っ張ってきたり、独立した換気扇を取り付けたりしないと、夏は暑く冬は寒い部屋になってしまいます。
このように、「ちょっと壁を増やしただけ」のつもりが、大工さんだけでなく、電気屋さん、内装屋さん、空調屋さん、消防設備屋さんといった、たくさんの専門職人の手が必要になるため、結果として全体の費用が大きく膨らむ原因になるのです。

6. 内装費の変動要因を整理!項目別の工事への影響度
ここまでにご紹介した、面積(坪数)以外で工事費を変動させる代表的な要素と、それが予算に与える影響の度合いを分かりやすく一覧表にまとめました。

変動する要素工事費への影響度主な理由と具体的な影響内容
物件の初期状態
(スケルトンか居抜きか)
🔴 極めて大きいスケルトンの場合は床・壁・天井の下地づくりや、配管・配線の引き込みから始めるため基礎費用がかかります。設備が活かせる居抜きであれば初期費用を抑えられる傾向があります。
水まわりのレイアウト
(シャンプー台や洗面位置)
🔴 非常に大きい既存の排水口から位置が離れるほど、床を高く持ち上げる「床上げ工事」が必要になり、配管の手間や大工さんの作業量が大幅に増えます。
造作家具の割合
(オーダー什器の有無)
🟡 中〜大きい空間のサイズに合わせるオリジナル造作はデザイン性が高い一方、工場の製作費、運搬費、現場での設置・調整費が加算されます。
間仕切り壁の数
(部屋の区切り方)
🟡 中〜大きい壁を1枚新設するごとに、ドアの設置だけでなく、照明の配線変更、コンセント新設、空調ダクトの分岐、消防設備の増設などが連動して発生します。
仕上げ素材のグレード
(塗装・タイル・左官など)
🟡 中程度一般的な量産クロスに比べ、職人が手作業で塗る左官仕上げや、一枚ずつ手作業で貼るタイル仕上げ、オリジナルの間接照明などは手間(人件費)がかかります。
このように並べてみると、内装工事の見積書が単に「部屋の広さ」だけで作られているのではなく、複数の専門的な工事の掛け合わせによって成り立っていることがよく分かります。

7. デザインの違いと「素材・手間」の関係性
同じ20坪の物件、同じレイアウトであっても、最終的な「デザインの味付け(素材の選択)」によっても工事費は当然ながら変化します。
ただし、ここで知っていただきたいのは、「高い材料を使っているから見積もりが高くなる」という単純な理由だけではないということです。店舗内装の費用において、材料そのもののステータスと同じくらい重要になるのが「職人さんの手間(人件費)」です。
例えば、プレーンな白い壁紙(クロス)を貼る作業であれば、熟練の職人さんなら1日でかなりの面積をきれいに貼り終えることができます。
しかし、その同じ壁に「本物のレンガやタイルを1枚ずつ接着剤で貼っていく」仕上げや、「左官職人がコテを使って独特のムラ感を出しながら泥を塗っていく」仕上げを選ぶと、完成までに何日もの時間と高度な技術が必要になります。つまり、素材が変わるということは、材料費だけでなく「その場に職人さんが拘束される時間(手間賃)」が増えるということなのです。
空間設計モノデザインでは、「とにかく高価で豪華な素材を使えば良い空間になる」とは考えていません。
すべての壁を本物の左官やタイルにすると予算がいくらあっても足りなくなってしまいます。だからこそ、お客様の目線が一番最初にとまるエントランスの正面や、美容室ならお客様が鏡越しにずっと眺めることになるセット面の背景壁など、お店のアイデンティティとなる「ここぞという主役の1面」にだけこだわりの素材や間接照明を投入し、それ以外の通路やバックヤードはシンプルにコストを抑えた仕上げにする。
このような予算の「選択と集中」のバランスを整えることこそが、店舗デザインリフォームにおける設計の知恵になります。

8. リニューアル改装だからこそ活きる「何を残すか」の引き算の視点
新規の出店ではなく、すでに営業しているお店の改装やリフレッシュ(リニューアル)の場合、工事費をコントロールするうえで非常に重要になるモノデザインならではの視点があります。それは、新しいものをどう付け足すかという「足し算」だけでなく、今あるものをどこまで上手に活かせるかという「引き算」の考え方です。
店内の雰囲気をガラリと変えたいとき、つい「一度すべてをきれいに解体して、真っ白な状態から作り直さなければいけない」と思われがちですが、必ずしもすべてを新しくする必要はありません。
  • まだ十分に動くエアコン(空調設備)などの機器類
  • 天井の骨組みや、既存の照明の位置(配線レールなど)
  • 状態が良く、上から新しい床材を重ね貼りできる床の下地
  • 塗装やシートの貼り替えだけで見違えるように綺麗になる既存の建具や造作カウンター
これらを手当たり次第に解体して処分しようとすると、壊すための「解体処分費用」が高くなるだけでなく、それをもう一度新しく買い直して設置するための「新規購入・施工費用」がダブルで重なってしまいます。
使えるポテンシャルを持った既存の資産は丁寧に見極めてそのまま残し、その分浮いた予算を、お客様が直接触れる家具や、お店の新しいコンセプトを表現するためのメインのデザイン壁に回す。
このように「何を残して、何を変えるのか」の境界線を現場でシビアに見極めることで、限られた総予算の枠を最大限に活かし、コストパフォーマンスの高い劇的なリフォームデザインをカタチにすることが可能になります。

9. まとめ|見積書の数字ではなく、その「内訳」にある物語を見る
「坪単価○万円」という言葉は、店舗の大きさと予算のバランスを感覚的につかむための定規としては非常に便利です。しかし、ここまで見てきたように、実際の店舗工事では、その定規だけでは測れない要素が多すぎて、現実の金額を正確に示すことは難しくなります。
同じ20坪という数字の裏側には、
  • 物件がこれまで歩んできた歴史(以前の業種や設備の状態)
  • オーナー様がこれから実現したいサービスのカタチ(シャンプー台の配置や家具のこだわり)
  • 1年後、5年後の営業を見据えた動線や壁のつくり方
  • そして、既存の空間から引き継ぐことができる大切な資産
これらの一軒一軒異なるストーリーがすべて見積もりという数字になって現れています。だからこそ、複数の会社から出てきた見積書を比べる際も、ただ右下の「最終合計金額」の大小だけを見て安い・高いを判断するのではなく、「自分の物件の条件に対して、どのような工事がどこに含まれているのか」という中身の内訳を丁寧に見ていくことがとても大切です。
店舗内装の計画で本当に目指すべきなのは、ただ闇雲に工事費の総額を安く抑えることではありません。限られた大切な予算を、「どこに、どのような理由で投資すれば、一番その店らしい魅力に繋がり、オープン後の営業がスムーズに回るのか」を徹底的に突き詰めることです。
モノデザインでは、床面積の数字だけに捉われることなく、物件が持つリアルな条件とオーナー様の理想のバランスをひとつずつ丁寧に整理しながら、デザインと工事の両面から本当に納得のいく空間づくりを一緒に考えています。
大阪周辺でこれから新しいスタートを切りたいと考えている方も、現在の店舗のリニューアル計画に悩んでいる方も、予算の組み立て方や物件選びの段階から、どうぞ気軽にお悩みをお聞かせください。これからの営業が笑顔で溢れるようなお店を、一緒につくり上げていきましょう。

プロフィールのリンクから、これまでの施工事例や、予算を活かした空間設計のこだわりを多数ご紹介しています。店舗デザインや内装工事、大阪リフォームデザインに関するご相談は、ウェブサイトのお問い合わせフォームよりいつでもお気軽にお待ちしております。
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一級建築士事務所 空間設計モノデザイン

住所:大阪府吹田市江坂町1丁目23−5

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