店舗のエアコン、広さだけで選んでいませんか?天井高や熱の影響も考えた機種選び

query_builder 2026/10/18
店舗のエアコン、広さだけで選んでいませんか?天井高や熱の影響も考えた機種選び
店舗のエアコン、広さだけで選んでいませんか?天井高や熱の影響も考えた機種選び
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店舗のエアコン、広さだけで選んでいませんか?天井高や熱の影響も考えた機種選び
店舗のエアコン、広さだけで選んでいませんか?天井高や熱の影響も考えた機種選び


「うちの店は30平米くらいだから、このくらいの能力のエアコンで大丈夫だろう」
「ネット通販で安くなっているし、広さの目安も合っているからこれに決めよう」
大阪で新しく店舗を開業される際や、物件の内装リフォームを計画される際、このように床面積だけを基準にしてエアコンを選ぼうとされているオーナー様は少なくありません✨
一般的な製品カタログには「〇畳用」や「〇平米用」といった目安が分かりやすく記載されているため、それをそのまま参考にされるのは当然のことだと思います。
しかし、店舗の空調設計においては、この「床面積だけで決める」選び方が思わぬ失敗を招く原因になることがあります。
いざお店がオープンしてみると、エアコンをフル稼働させているのに全然冷えない、設定温度まで下がらずにお客様からクレームが出てしまう、といったトラブルが実際に起こり得るのです。
今回は、大阪を中心に店舗リノベーションやデザイン設計を手掛けるモノデザインが、店舗内装の実務に沿って、エアコン選びで床面積だけを見てはいけない理由や、購入前に必ず確認すべきポイントを詳しく解説します。
快適なお店づくりと無駄な出費の防止にお役立てくださいね。

1. エアコン選びで床面積だけを見てはいけない理由
同じ床面積の物件であっても、店舗と一般的な住宅とでは空間の構造が大きく異なるケースが多々あります。その最たる例が「天井の高さ」です。
エアコンが冷やしたり暖めたりするのは、床の面積ではなく「空間全体の空気」です。そのため、床面積が全く同じであっても、天井高が変われば空間の体積(空気の量)は大きく変わります。
具体的な数値で比較してみましょう。
例えば、床面積が「30平米」の店舗が2つあるとします。
  • 一般的な天井高(2.5m)の店舗
    30平米 × 2.5m = 空間の体積は 75立方メートル
  • 天井が高い、またはスケルトン天井(4.0m)の店舗
    30平米 × 4.0m = 空間の体積は 120立方メートル
このように、床面積は同じ30平米でも、天井の高さが変わるだけで空気のボリュームには1.6倍もの差が生まれます。
もし4.0mの天井高がある空間に対して、床面積の目安だけでエアコンを選んでしまうと、明らかに能力不足となり、いくら運転しても部屋が冷え切らないという状態になりかねません。
ただし、エアコンに必要な能力は、この空間の体積だけで単純に決まるわけでもありません。
実際には、建物の断熱性能や、窓から差し込む日射の量、換気による外気の流入、 And 室内で発生する熱など、さまざまな要素を総合的に含めて判断する必要があります。

2. 店舗ならではの「熱の影響(空調負荷)」を考える
店舗の空間には、一般住宅にはない特有の「熱の発生源」がたくさん存在します。これらが室内の温度を上昇させるため、エアコンの選定時にはこれらを考慮することが欠かせません。

厨房機器から発生する熱
飲食店において最も大きな熱の発生源となるのが、コンロ、オーブン、グリラー、フライヤーなどの厨房機器です。
調理中にこれらの機器から放出される熱は非常に大きく、厨房内だけでなく、客席と厨房がつながっているオープンキッチンのような間取りでは、客席側の温度にもダイレクトに影響を及ぼします。

大きな窓と日当たり
路面店などで外から店内の様子が見えやすいように大きなガラス窓を設けている店舗や、西日が強く差し込む方角にある店舗では、太陽光によって室内に入る熱(日射負荷)が急激に増加します。
使用しているガラスが遮熱性の高いペアガラスなのか、あるいは単板ガラスなのか、日よけのサンシェードやブラインドがあるかないかによっても、エアコンに求められるパワーは大きく変わります。

人の出入りと室内の人数
お客様やスタッフが頻繁に出入りする店舗では、自動ドアや扉が開閉するたびに、外の暑い空気が一気に室内に流れ込みます。
さらに、人間の体からも常に熱(体温)が放出されています。満席時とガラ空きの時間帯でお店の温度がガラリと変わるのはこのためです。想定される最大収容人数が多い店舗ほど、余裕を持った空調能力が必要になります。

照明やその他の電化製品
店舗を魅力的に演出するためのスポットライトやダウンライトなどの照明器具、食材を保管する冷蔵庫やショーケース、レジ周辺のパソコンや機器類なども、稼働中に微量な熱を放出し続けています。
このように、店舗ごとの条件が重なる環境では、単純な床面積ベースの選定では不十分になってしまう可能性が高くなります。

3. 能力不足だけでなく、設置環境や空気の流れも重要
必要なパワー(冷房能力)を満たしたエアコンを選べたとしても、それを「どこにどう設置するか」によって、店内の快適性は大きく左右されます。
店舗のレイアウトによっては、エアコンから吹き出された冷気が特定の場所にしか届かず、場所によって激しい温度ムラができてしまうことがあります。
例えば、おしゃれな間仕切り壁や造作カウンター、背の高い商品ディスプレイ棚などが空気の流れ(気流)を遮ってしまうと、冷気が空間全体に行き渡りません。
「客席はキンキンに冷えているのに、スタッフが働く厨房やお店の奥のスペースは汗ばむほど暑い」といった状態は、設置位置や風向きの設計がうまくいっていない典型例です。
また、室内機だけでなく、以下のような「周辺環境の条件」も事前に確認しておく必要があります。
  • 室外機の設置スペースと排熱:隣の店舗や通行人の迷惑にならない場所か、周囲に熱がこもらないか
  • 配管経路:室内機から室外機までの距離が長すぎないか、壁に穴を開けられるか
  • 電源条件:店舗に引き込まれている電気の容量や、単相200V・三相200Vなどの電源種別が合致しているか

4. 安いエアコンを購入する前に確認したい5つのポイント
最近では、ネット通販や中古の業務用エアコンを活用して、初期費用を賢く抑えようとされるオーナー様も増えています。それ自体はコストダウンの手段として有効ですが、価格だけで飛びつく前に以下の5点を確認することをおすすめします。

① 店舗に必要な冷房能力を満たしているか
繰り返しになりますが、カタログに記載されている床面積の目安だけで決めず、天井の高さ、窓の向き、厨房機器の有無、想定される人の出入りなどを考慮して、十分な能力がある製品を選びましょう。

② 電源や設置条件が現場と合っているか
特に業務用エアコンの場合、家庭用とは異なり「三相200V(動力電源)」を使用する機種が多く存在します。物件の電気契約や配線状況と合致しているか、また配管の太さや長さの制限をクリアしているかを必ず確かめてください。

③ 店舗の使用条件に適した機種(住宅用か業務用か)か
小規模な店舗だからといって一般住宅用のエアコンを設置してしまうと、想定以上の長時間運転や熱負荷に耐えられず、故障の頻度が高くなったり寿命が極端に短くなったりすることがあります。用途や稼働時間に耐えられる適切な機種(業務用)を選ぶことが大切です。

④ 本体価格以外の「工事費用」も含めて比較しているか
エアコンの導入には、本体代金だけでなく、取り付け費用、冷媒配管の延長、電気の配線工事、さらに古いエアコンがある場合はその撤去処分費用などがかかります。すべてを含めたトータル金額でコストを判断する必要があります。

⑤ 中古品の場合、状態や付属品を確認できるか
中古のエアコンを検討される場合は、製造年式(古すぎると電気代が高くなったり、部品がなくて修理できなかったりします)、過去の動作状況、保証期間の有無、そしてリモコンなどの必須付属品がきちんと揃っているかを細かくチェックしてください。

5. 店舗のエアコン選びにおける条件別の負荷比較
エアコン選びの際、どのような条件が重なると空調負荷が大きくなるのか、一目で分かるように一覧表にまとめました。

設置環境の要素空調負荷:小(住宅用の目安が近いケース)空調負荷:大(余裕を持った業務用が必要なケース)
天井の構造一般的な天井高(約2.5m)高い天井、吹き抜け、スケルトン天井(3.0m〜4.0m以上)
熱源の有無アパレル・物販店、事務所、サロン(火気使用なし)飲食店、ラーメン店、焼肉店、大型オーブンのあるベーカリー
窓と日差し窓が小さい、または北向き・東向きで直射日光が少ない大きなガラス張りの路面店、西日が強く差し込む空間
人の出入り事前予約制のサロン、来客の少ないオフィスカフェ、物販店、テイクアウト併設など頻繁に入口が開閉する店舗
店内の設備LED照明メイン、電化製品が少ないスポットライト多数、業務用冷蔵庫・ショーケースが複数稼働
このように、お店の業種や物件の構造によって空調の効きやすさは全く異なります。

6. エアコンは購入前に専門業者へ相談するのが安心
エアコンは、一度壁や天井に設置してしまうと、後から「やっぱり冷えなかったから別の機種に変えたい」と思っても、簡単に入れ替えることができません。
機器の買い直し費用だけでなく、せっかく行った内装工事を配管のやり直しや下地、壁紙の張り替えなどが発生しすることもあり、二重の出費になってしまうケースもあります。
失敗を防ぐためには、エアコンを正式に購入・手配する前に、店舗の図面や天井高、導入予定の厨房機器のリスト、窓の位置などの情報を施工業者や空調設備業者に共有し、必要な能力や設置条件の確認を仰ぐことが望ましいです。
お店ごとの条件を総合的に考慮した上で最適な機種を選び、空気の流れまで計算して配置すること。それが、お客様にとってもスタッフにとっても居心地の良い空間づくりと、将来的な無駄な出費の防止につながります。
大阪で理想の店舗デザインや内装工事を、予算内で納得のいく形に仕上げるために。
ぜひ、事前の確認とコミュニケーションを大切にしながら、素敵なお店づくりを進めていきましょう。
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一級建築士事務所 空間設計モノデザイン

住所:大阪府吹田市江坂町1丁目23−5

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